2025年までに起こりうる、レーザー治療の大きな進化について
おはようございます。
今日は5月3日(土)。いよいよゴールデンウイーク後半となりましたね。
都内は快晴。高速は混んでいるようです。
連休中は、本日のみ、クリニックFの開院日です。
本年7月に開催される日本美容皮膚科科学会での講演について、詳細が決まりました。
日本医科大学皮膚科の船坂陽子准教授と招待講演をお引き受けすることになりました。
少しずつ準備を整えていきたいと思います。
さて、今日のブログは、2014年4月にアリゾナ州フェニックスで開催されたASLMS米国レーザー医学会の話題を。
*****
学会でハーバード大学のロックス・アンダソン教授がお話しされた
「2025年までに起こりうる、レーザー治療の大きな進化について」
という演題は大変魅力的でした。
これからの10年間を想像すると、工学の世界でも医学の世界でも時代が大きく変わりますね。
ロックス・アンダソンが挙げた8つの進化は
1)経験の少ない施術者に対する、よりオートマティカルなレーザー機器が登場する。
2)ソフトウェアでプログラミング可能な「ロボットレーザー治療機器」が登場する。
3)ホームケアユースのレーザー、IPL、RF、超音波機器の処方が始まる。
4)ニキビは本質的な治療が可能になる。-皮脂腺をターゲットとした機器が出来る。
5)レーザーによる入れ墨除去が、瘢痕化することなく確実に即日できるようになる。
6)有用なライブ顕微鏡が登場する。
7)病理医師がいない状態でも迅速診断できるマイクロ生検が可能になる。
8)スマートフォンによる皮膚診断アプリが現在の200から20万になる。
でした。
医療機器から家電製品に至るまで、すべての機器はユーザビリティが上がりますので
1)の進化は当然のことだと思いますが
2)は、レーザーを治療ばかりではなく、センサーとしても用い、治療が必要な部位だけを同定し、その部位に適切なレーザー光を照射するという点に違いがあります。
3)のホームケアユースの機器ですが、これは数年前からトレンドの一つではありました。
安全性の問題で、レーザーの家庭用機器はハードルがあったのですが、光、RF、超音波などの他のエネルギーソースが使えるようになりましたので、汎用性が上がりましたね。
4)ニキビについては、1700nm前後の波長が皮脂腺に反応することがわかっていますので簡単に機器を作れるのではないかと思われていたのですが、1700nmの波長の透過率を考えると、生体に直接照射してしまうと、皮脂腺までレーザー光が届かないのです。
5)に関しては、ピコ秒もしくはそれよりも短い波長のレーザーが完成すれば、可能になります。
6)は超音波診断機器のように、リアルタイムで肌の中が診断できるシステム。
7)は、正常細胞と異常細胞に対する特定の光の透過率の違いによって診断をする機器なのでしょう。
8)のスマートフォンアプリは、今後もより医療の世界にも入ってくるのでしょうね。
こうして観てみますと、工学レーザーの医療応用に対しては、まだまだ研究の余地がありますね。
今後も引き続き、注目してゆきたいと思います。
世界最先端のレーザー情報がわかる
| 固定リンク
「レーザーの歴史」カテゴリの記事
- 2025年までに起こりうる、レーザー治療の大きな進化について(2014.05.03)
- レーザーの歴史 その壱 レーザー発想の誕生と黎明期 (2007.05.28)
- レーザー・光治療の歴史更新(2011.12.26)
- ■EADV 2011in Lisbon,Portugal番外編 手術の傷跡を目立たなくするレーザー機器EKKYO(2011.11.08)
- 2011年レーザー治療機器総括その6 痩身と脂肪溶解(2011.10.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント