●2014年夏 ボディのための医療機器 その② ゼルティク社 クールスカルプティング クルスカ
ゼルティック社の クルスカ クールスカルプティング。
米国痩身市場でも圧倒的にシェアを持つ機器です。
この機器は、運動ではとりにくい下腹部の脂肪や側腹部の脂肪を、約1時間吸引された状況で氷結されることによって、脂肪細胞をアポトーシス(プログラムされた自然死)に持ってゆくというものです。
クルスカは、脂肪細胞以外の組織にはダメージを与えずに、脂肪だけをシャーベット状に冷やすことで、余分な脂肪だけを減らすことができる最新の部分痩せ治療です。
シャーベット状になった脂肪細胞はアポトーシスを起こし、自然な代謝によって2~4ヶ月かけて徐々に体外に排出されます。このとき皮膚や血管などには、ほとんど負担をかけることがありません。
また治療によって脂肪細胞の数が減少するため、リバウンドしにくい特徴があります。クルスカなら余分な脂肪だけを減らして、理想のボディラインが実現できるのです。
それまでは、機器を用いた痩身は、エンダモロジーのようにマッサージ効果を狙ったものばかりでしたので、衝撃を持って市場に迎えられました。
企業の設立は2005年ですが、ファウンダーの一人に、Keith Lear Mullowneyがいます。
彼は元サーマクール社(サーマクール社→ソルタメディカル社→バリアント社)のファウンダーでもあり、サーマクール株の売却資金をクルスカの開発費につぎ込みました。
もう10年以上の知り合いですが、元米国海兵隊上がりの鉄の経営者。
企画力と実行力は、ずば抜けています。
写真は2013年4月の、ボストンの米国レーザー医学会で、偶然ホテルで会った時のもの。
ちょうどボストンマラソンの爆弾事件の数日前。
思えば危機一髪でしたね。
キースは、僕が尊敬する経営者の一人で、彼らの研究グループは、ハーバード大学のウェルマン光医学研究所のロックス・アンダソン教授と綿密な連携を取って地道な研究をしてきました。
脂肪細胞を氷結させるといっても、時間が長すぎれば他の組織も壊死を起こしてしまいます。
難しいのは、他の組織に影響なく、脂肪組織だけを減少させること。
氷結させ脂肪を減少させる追従機器はその後も市場に多く登場しましたが、2014年現在、この機器以外は、安全性の意味でお勧めできません。
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僕もこの機器を実際に体験したことがあります。
吸引を始めて、その後にクーリングが始まるのですが、最初は感じた鈍痛も10分ぐらいで消失します。
僕は側腹部にたまった脂肪の施術を片方だけやったのですが、確かに2カ月すると、左右の違いがわかり、脂肪が減ったのがわかります。
開発当時の弱点は、吸引のカップがアジア人には大きすぎたこと。
そしてある程度大きな吸引カップを装着しなければならないため、患者選択が難しく、部位も選ばなければならないということでした。
こうした弱点をふまえ、2014年IMCAS Parisにて、新たな吸引カップを登場させました。
今後も大きく部位の適応が増えて行くでしょう。
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