●ボディのための医療機器 その③ BTL社 ヴァンキッシュ
今日はボディのための医療機器の二つ目の機器 チェコのBTL社、新しい非接触型RF痩身機器であるヴァンキッシュについてのお話です。
この機種は、
「組織の脂肪、皮膚、筋肉の導電率の違いと電気分極性の違いに注目し、RFを利用して組織選択性に脂肪組織のみを加熱する」
という新しいコンセプトを持った機器です。
30分間横になり、大きなアームを脂肪を減らしたい部位に載せるだけ。施術中痛みはありません。
まだ日本に上陸したばかりのデモ機を、医師としては日本で最初に実際に施術をしてもらいましたが、数分施術すると腹部の脂肪組織が過熱するのがわかります。
むしろ暑いぐらい。
しかしながら皮膚を触るとあまり熱を持たないのです。
RF(ジアテルミー)機器として、高周波の電波が人工的に発生できるようになって以来、主たる用途の電気通信の後を追うように医療にも利用されてきました。
その干渉を防ぐ目的で、1947年アトランティックおける国際会議で周波数や変動の許容値が下記のように制定されました。
13.56MHz (士0.05%)
27.12MHz (土0.6%)
40.68MHz (土0.05%)
2450MHz (土50 MHz)
工業,科学,医療で用いられる高周波のバンドを確定したのです。
ヴァンキッシュはこちらの27.12MHz 帯を利用しています。
〇この周波数は、脂肪組織のインピーダンスに対して最も適合するものです。
〇高いインピーダンスを持った組織は、電磁場に対してより高い抵抗を持ちます。
〇高い抵抗を持った組織は、周囲の組織に比較して、温度が上昇するので、脂肪組織のみを加温することが出来るのです。
さらに、照射野からの戻りエネルギーを測定し、持続的にエネルギーを調節することより的確な量のエネルギーを脂肪組織に配給することが出来ます。
基礎データもかなりきっちりととられています。
クリニックFに導入されてからしばらくたちますが、結果は良好です。
※※※
実は、こちらのBTL社。
2012年のチェコで開催された欧州皮膚科学会(EADV)の際に本社を訪れたことがあります。
学会会場でプラハの美容医療機器メーカーBTLのスタッフと待ち合わせ、
用意していただいた車に乗り込みます。
車はプラハ郊外の丘の上に。
こちらは高級住宅街なのだそうです。
そんな住宅街の一角に、BTL社がありました。
窓の外の借景を見ながら会議室に。
会社に入ると、すでに社長と会議に呼ばれた医師たちの間でディスカッションが始まっています。
中にはボルチモアのロバートワイス医師その他、米国の見知った医師たちの顔、そしていつもお世話になっている日医大皮膚科の尾見徳弥教授もいらっしゃいました。
最後に会社で記念写真を撮りました。
右端にいるのが、BTL社CEOのMarcel Besse。
※※※
また、2014年の3月にコロラド州デンバーで開催された、米国皮膚科学会でもMarcel と再会しました。
2014年4月の長崎の日本形成外科学会でのイブニングセミナー講演についてディスカッションの機会を得ました。
個人的にツボだったのは、彼のデスクトップが車の「ヴァンキッシュ」の写真であった事。
Marcelは
「これ、ボクの車なんだけどね」
とジョークを飛ばしながらプレゼンをスタートしたのが印象的でした。
それにしてもヴァンキッシュは美しい車ですよね。
僕も大好きです。
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