おはようございます。
今日は1月17日(金)クリニックFの診療日です。
こちら、昨日撮った写真です。
江の島から見た伊豆大島。
海の目の前、丘の上の鎌倉高校に通っていた時も、このビューをよく見ましたが、冬の日はうっすらと伊豆大島が見えます。
昨日の休診日は、工学部の教授とともに次回のレーザー機器研究の打合せをしていました。
レーザー出力の測定は工学的には多くの方法が利用されてきていますが、医学で利用するような弱いパワーの場合、それらの理論がすべて応用されない場合があるのです。
一番難しいのが測定方法の決定。
これさえ決まれば実験までがスムーズに話が進むのですが、頭を悩ませ、細かく打合せをしなければいけないところです。
たとえば、レーザー照射のエネルギーの皮下への伝達度に関わる因子(パラメータ)としては大きく3つに分けられると僕は思っています。
■その1 数式で説明できる分野
まずは、ハーバード大学 ロックス・アンダソン教授の「Selective Photothermolysis(選択的光熱融解理論)」に従う、極めて工学物理的な反応で、数式を用いて予想しやすい因子。
◎フルレンス (J/cm2)
一定面積当たりのエネルギー量が高ければ深くなります。
◎波長 (主にnm)
1064nmを境に、短い波長ではメラニンへの、長い波長では水えの吸収率で深さが変ります。
◎パルス幅 (主にナノ秒〜マイクロ秒) TRT(熱緩和時間)より長い場合は放熱体として働きます。
詳しくはクリニックFのWEBにあるレーザー治療機器の歴史をご覧ください。
■その2 熱力学で説明できる分野
臨床的経験によって求められた、
◎レーザー光直径 (主にmm) 半径が大きければ、エネルギー総量が増えますので、深部まで熱が加わります。
◎照射面皮膚温度 (摂氏)温度が高ければ熱量が増えますので、深部まで届く代わりに熱傷のリスクが上がります。
◎皮膚でのレーザー反射率&減衰率 (%) 機器の設定に表示されているエネルギーすべてが皮下のターゲットに吸収されるわけではなく、皮膚表面で反射しますし、表皮で減衰もします。
といった熱物理学の熱伝達因子。
このファクターは個体差によってばらつきがあり、予測は難しい。
■その3 生物化学で説明できる分野
◎皮下のターゲットが変性したのちに発生する活性酸素。
◎そこに介在する多くのサイトカイン、ケモカインなどのケミカルメディエーター。
◎DNAの発現とタンパク合成などの生物学的化学的反応。
◎上記のファクターによって実際に反応する細胞一つ一つの動き。
これは生体によって大きな開きがあり、患者さん個別の反応のため、その患者さんを治療した過去の経験則でしか対応できません。
これらの複雑なファクターを、共有知として認識している医師は、世界でもわずかしかおらず、医学会でも分野を区切ってのディスカッションしかできないのですよね。
僕はこのレーザー医工学を何とか共有知にし、学問化したいと思っているのですけれどね。
ライフワークの一つになると思います。
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ちょっと脱線してしまいましたが、シンガポールのブログを続けますね。
シンガポールは、アジアの中心になるかと思えるぐらい開発が速く、滞在するたびに毎回景色が変わります。
今回は、マーライオンの横から発着する夜のクルーズ船に乗船。
シンガポールの街並みを船の上から1時間かけて眺めることになりました。
ゆらゆらと船の上に輝くデザイン性の高い建物。
欧州の街を歩いている時とは違った近未来的な建築物。
これらを見て育った子供たちは、まったく違った発想を持つのでしょうね。
こちら、以前に乗った逆バンジーです。
クラークキー周辺を回って到着するのはあの有名なフラトンホテルです。
ザ・フラトン・ホテル・シンガポールの建物は初代海峡植民地総督であるロバート・フラトンに因んでフラトンビルディングと名付けられましたが、なんとこの建物の完成は1928年6月27日なのだそうです。
さらに、2001年1月1日にホテル部門が開業し、シンガポールを代表するホテルの一つとなっていますよね。
昼の打合せがこちらのホテルでもあったのですが、
この通り、高級外車が沢山ありましたよ。
実は、シンガポールの車の関税は200%以上。
これらの車は日本車の3倍の値段で取引されているそうです。
昨年、イタリアのレーシングドライビングコースに参加し、仲良くなったシンガポールの社長が嘆いていたのを思い出しました。
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