カテゴリー「国際学会 北米 ボルチモア編」の14件の記事

2011年5月16日 (月)

CLEO:2011 ボルチモア⑩ シカゴへの移動

ボルチモアの滞在では貴重な工学系レーザー学会のの発表があったりと、興味深く過ごすことができました。

ここからまた移動です。

ボルチモア空港では、やはりオーリオールズのグッズが多かったですね。261

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そして名物のカニです。

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クラブケーキはおいしかったですよ。

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ここから僕は次の目的地であるシカゴに向かいます。

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2011年5月15日 (日)

CLEO:2011 ボルチモア⑨ ロックスアンダソン博士の選択的熱融解理論はもう古い?

さて、クレオの学会会場には

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写真のような暗い部屋で、プレゼンテーションを用いて演題発表するブースと

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こうしたレーザー機器の展示会場が併設されているのですが、一部展示会場の中で講演をする場所がありました。

日本でもコンベンション会場で、このような場所が設けられることはありますよね。

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企業によって招待された講師によるセッションなのです。

今回この会場では特にレーザーの臨床医療利用の話が多くて、非常に興味深く聞きました。

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中でもいくつか面白かった演題として、以前のブログでも触れたPTSDや、外傷性の脳障害に対する、赤色光の低レベルレーザー治療が応用されている発表がありました。

皮膚科の世界ではレーザー光がコラーゲンやエラスチンを作る線維芽細胞の活性化をさせますが、一部の光は、脳組織の再生も促進するんですよね。

また、痛みの治療のためにPhotonic Needleというものを使って鍼治療のような治療を行っている施設の発表もありました。

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医用レーザー技術は、1983年にサイエンス誌に受理されたロックス・アンダソン博士の「セレクティブフォトサーモライシス(選択的光融解理論) Science 29 April 1983 Selective photothermolysis」をもとに構築されてきました。

しかしながら、30年前のこの理論には、いくつか実際の臨床データと食い違う点があり、

「必ずしもすべて正しいわけではない」

と、経験あるレーザー専門医たちに指摘されてきました。

これには僕も同意します。

ですが、未だにロックス・アンダソンのグループが、医用皮膚レーザーに対するほぼすべての特許を持ち、米国レーザー医学会の重鎮であり、研究者も全てがロックス・アンダソン率いるウェルマン光医学研究所を目指すことから、こと皮膚科医療レーザー技術に関しては「選択的光融解理論」を掘り下げる理論ばかりが研究されてきたという歴史があります。

今回工学系のレーザー医学会に参加して、さまざまなインスピレーションをいただきましたが、今世紀に開発された工学レーザー技術の素晴らしい点を医学に生かすためには、

■フラクショナルレーザーの出現でほぼ検討が終わったレーザー光の 「治療(皮膚変生)」 効果

よりも むしろ 

■レーザー光のスキャニング能力を使用した皮膚症状の 「診断」 技術

に、開発の重心をかけたほうが良いのではないかと思いました。

たとえば、現在のレーザーのスキャニング技術やOCT技術を利用すれば、

①顔全体をレーザーによってスキャンして顔のどの位置にシミや毛穴があるかを場所を同定。

②それぞれが、どの深さまで病変があり、どの種類のレーザー光を当てればよいかを予測。

③それぞれの病変にとって、最も適切な波長をチューナブルに選択

④ピコ秒以下のパルス幅の短いレーザーを、1000Hz位でスキャニング照射して、病変部を一瞬で照射蒸散。

・・・なんてことができるのではないでしょうか。

普段利用している医用レーザーの理論よりも、はるかに難しい工学レーザー理論を学会会場で聞いていると、数学Iを習った後に基礎解析や物理学を習い苦戦するより、微分積分を習ったのちに基礎解析や物理学を習い直すような、レーザー医療の学問に対する鳥瞰ができるような気がしました。

レーザーや光を含む電磁波の波動とは、ある媒質自体の振動であり、この振動がエネルギーと運動量を輸送する空間中を動いているわけですから、これをきちんと説明するためには、最低でも微分波動方程式 (differential wave equation)あたりを理解していないといけないのですよね。

これからも技術の進歩は進むでしょうが、この工学系レーザー学会CLEOに参加したことで、自分も医学と工学の両側面からレーザー機器の開発に関わっていけたらと強く思いましたよ。

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2011年5月14日 (土)

CLEO:2011 ボルチモア⑧ National Aquarium

再度GW期間中に訪れたアメリカ・ボルチモア出張記に戻ります。

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ボルチモアには、ボルチモア美術館という名所があります。

この美術館は、世界最大のマティスコレクションがあることで名高く、機会があれば一度行ってみたいと思っていました。

2009年、南仏ニースに行ったときマティス美術館を訪問したことはこのブログでもご報告させていただきましたが、実は僕自身の個人的趣味で言えば、マティスに傾倒したことはあまりないのです。マティスの作品が魅力溢れる芸術作品であることは理解しつつ、その世界観を咀嚼しきるだけの感性が、まだ僕にはないのかもしれませんね。

それでも「世界最大のマティスコレクション」と聞いてしまうと、つい興味をひかれます(笑)。

しかしながらこの美術館は学会会場から遠く、ボルチモア自体はそんなに広い街ではないものの、残念ながら開催期間中に行く時間を確保できそうにありません。

代わりに・・・1時間半の昼休みを使って、もうひとつの名所 インナーハーバーにある国立水族館にちらっと行ってきました。

こちらも全米最大級といわれる水族館とのこと。ハイシーズンには長蛇の列ができるそうです。

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高い場所から水槽を覗いているのは、くじらでしょうか。実はこの写真を撮影した場所は、1階から階段を4階まで上がったところ。下から見上げるのとはまた違った景色が眼下に広がります。

非常にインパクトのあるレイアウトで、僕はこの場所が一番気に入ってしまいました。

建築は、ピーター・シェマイエフという水族館建築では有名な建築家だそうで、大阪の海遊館も彼によって手がけられているそうです。

この水族館が完成したのは1981年。30年前ということになります。80年代初頭にできているのだとしたら、当時はさぞや話題になったろうと想像します。

2011年現代を生きる僕達は、国内でもしながわ水族館や八景島、美ら海水族館・・・など、イベントフルな水族館に慣れていますが、30年前・・・自分が小学生だった頃を思い出すと、水族館という場所は魚の水槽がただただずらっと並び、その中の魚を見るための場所でしかなかったと思うのです。その建物自体も含め、立体的に水族館を楽しむ、という概念はあまり当時なかったですよね。

限られた時間の中急ぎ足で回ったので、あまり良い写真は撮れなかったのですが、いくつかご紹介しましょう。

入口、アメリカ最大のエイばかりを展示した水槽。

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Wings in the Water と名づけられた水槽。

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サンゴ礁の魚や

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カサゴだらけの水槽。

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熱帯雨林を再現したドームなど

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見どころは沢山ありましたが、イルカのショーなどは残念ながら見ることができませんでした。

さあ、急いで学会会場に戻ります。

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CLEO:2011 ボルチモア⑦ 学会会場展示場

さて、再びGW期間中に訪れたアメリカはボルチモアの話に戻ります。

CLEO(工学系レーザー学会)学会会場の展示場は、いつもの医学系レーザー学会と展示会社も展示品も全く違い、非常に興味深かったです。

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会場の入口。

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こちらが館内地下1階の地図。だいたい建物の形と動線がわかるでしょうか?

地下一階ではレーザー機器メーカーの展示が行われ

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こちらの二階の小さな部屋で、レーザーの講演が開催されます。

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毎日講演と講演の間に1時間半ぐらいの休み時間があるのですが、その時になると本当に多くの参加者がロビーに出てきます。

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皆レーザー談義に花が咲いています。

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展示会場で、社名に日頃からなじみのあるレーザー会社は、コヒレント社ぐらい。日本では見る機会もない、ものすごい数のレーザーが並んで圧感。さすが、アメリカ レーザー天国です。

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展示してある機器も、特許などが絡んでいて、写真を撮りにくい雰囲気でした。

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これは右レーザー筐体から赤色光が、左のレーザー筐体からオレンジ色の光が出ていて、中央のプリズムで光が交差しているのがわかりますよね。

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こちらのブースはレーザー技術を使ってとても小さい模型を作る会社の展示でした。

右の双眼顕微鏡をのぞいてみると、とても小さな「自由の女神像」が見えたのですが、たぶん像の高さは1mmぐらいでしょう。それにしてもすごいナノ技術です。

上のようなサッカーボールのようなフラーレンの立体構造や、とても小さなパリのエッフェル塔の模型なども、簡単に作り上げてしまいます。

魅力的な技術ですね。

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2011年5月12日 (木)

CLEO:2011 ボルチモア⑥ ベーブルース

前回のブログでも話しましたが、ボルチモアの出身者で有名な人物に、レッドソックスとヤンキースで活躍した、米国の野球の神様といえるベーブルースがいます。

ベーブはその愛嬌ある表情やその性格から、アメリカスポーツ界初のアイコンとなりました。

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ちょうど学会会場から歩いて数分のところにベーブルースの生家がありましたので、ちょっと行ってきましたよ。

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こんな感じの場所です。

家の内部はベーブルース博物館になっています。

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ルースが打ったすべてのホームランの記録も展示されていました。

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最後は1935年に打った714号でした。

この記録は、1974年にハンクアーロンに破られるまでは大リーグ記録でしたよね。

僕が小学校の時には巨人の王貞治がこの記録をいつ破るか、いつも話題になっていたのを思い出します。

この博物館でちょっと面白いと思ったことは、ルースが40歳となるまで、ルース自身も含めて、ルースの誕生日は1894年2月7日と信じられていたのだそうです。

この博物館にボルチモアの登記所に保管されていたルースの出生証明書が展示されていたのですが、

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1895年2月6日と書いていますよね。約1歳年上だと勘違いされていたのです。

ルースの時代は子供が成人する率が非常に低く、9人いたルースの兄弟のうちで成人したのはルースともう一人だけだったのだそうで、そうしたことも関連しているのでしょうね。

不思議なこともあるものですね。

ボルチモアに来たので、おすすめのところってある?

とアメリカの友人にメールを打ったのですが、

No real recommendation for Baltimore ... except don't get mugged!

If there is a baseball game, the stadium is one of the best in the country.

Have a safe trip.

というメールが返ってきたので、せっかくなので球場も観てみました。

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ボルチモア・オリオールズは、アメリカMLB、アメリカンリーグ東地区所属のプロ野球チーム。本拠地はオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズ。

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ちゃんとベーブルースもいました。

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それにしても綺麗な球場です。

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CLEO:2011 ボルチモア⑤ 歴史とインナーハーバー

今回のCLEO:2011が開催された米国ボルチモアは、ワシントンDCより北西に30マイル離れたメリーランド州最大都市です。

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メリーランド州はアメリカでも最も古い州のひとつです。この地ボルチモアはアメリカの独立戦争(1775-83年)の舞台のひとつとなりました。

ボルチモアに今も残るマックヘンリー要塞は、イギリス軍と25時間にわたる激しい消耗戦を繰り広げ、米国が守り抜いた場所なのだそうです。

戦いの後、要塞にたなびく星条旗を仰ぎ見て、フランシス・スコット・キーが「星条旗」という詩を詠みました。

この詩が1931年に現在のアメリカ国歌となるのです。

また、米国野球の神様であるジョージ・ハーマン・(ベーブ)・ルースの生誕の地でとしても知られ、現在も大リーグ野球チームのボルチモア・オリオールズを擁しています。

医科大学附属病院としては、ハーバード大学附属病院ともいえるMGH(Massachusetts General Hospital)マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタルに次ぐ評価を受けるジョンホプキンス大学がある場所でもあります。

ジョン・ホプキンス大学のロバートワイス医師は、レーザー皮膚科医として非常に知名度の高い医師で、以前のブログで彼の病院を訪問したことはふれましたよね。

僕のボルチモア訪問はその時以来になります。

ボルチモアは1830年には、ペンシルバニア炭田の開発によって全米第二位の人口を持つ都市に成長しました。しかしながら、1960年代から施設の老朽化と産業構造の変化による不況に陥り、スラム街が発展、治安の悪化が進み、ボルチモアは危険な街といわれるようになってしまいます。

そこで、市は30年前より再開発計画を実施、特に学会会場のあるインナーハーバー周辺の建物を一新して、工業、貿易と共に、水族館などの多数のレジャー施設を建設しました。

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このハーバー周辺の都市計画は、全米でも非常に成功例として評価されているようで、ご覧のとおり、非常に綺麗な街に見えます。

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船や潜水艦を停泊させたりして、港を歩いていても、とても気分が上がります。

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この都市開発が優れていたため、世界のさまざまな都市で参考にされたようですよ。

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夜の街も歩いてみましたが、とてもきれいでした。

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こちら夜の学会会場。

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5月の気候は、夜歩きにちょうど良いですね(笑)。

危ない街だと身構えて行ったのですが、このハーバー周辺は大丈夫だったようです。

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2011年5月10日 (火)

CLEO:2011 ボルチモア④ Plenary Sessionos

今日も四谷で朝から診療をしていますが、ブログ上では先週訪れたアメリカ・ボルチモアでの学会報告に戻りたいと思います。

しばしお付き合い下さい。

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CLEO初日の夜には、学会を代表するプレナリーセッション(総会)がありました。

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このセッションで、非常に興味深く聴いたのは、MITのJames G. Fujimoto教授の講演でした。

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偶然にも僕と同じ苗字ですが、残念ながら親戚ではありません(笑)。

Fujimoto博士はOptical Coherence Tomography (OCT)という技術の開発者の一人です。

フジモト博士は、1991年にマサチューセッツ工科大学で、光の干渉性(コヒーレンス)を利用して、物体内部のようすを撮像する技術を提案しました。

この技術あるいは得られた断層像のことを、「 OCT(Optical Coherence Tomography)」とよびます。

Oct

光源より放出された多くの波長を含んだ白色光が、上図のようにスプリッターによって試料に向かう光と可動ミラーに向かう2つの光に分けられます。

試料内部の色々なところで光は反射され、カプラに戻って来るのですが、このとき、ちょうど可動ミラーの位置が、反射した光と同じ場合には、互いに戻ってきた光はカプラで再び出会うことになり、ここで干渉が起こります。

しかし、距離が異なるところではね返ってきた光同士は、カプラで出会えず、干渉を起こしません。

いわば、超音波エコーを、光の性質を利用して行う技術なのです。

たとえばこの画像は網膜の中心窩ですが、中心窩のへこみはもちろんのこと、網脈血管までが見事に表出されていますよね。

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Figure courtesy of W. Drexler, Medical University, Vienna, Austria, 2005

この方法は放射線などではなく、光を用いるため、非侵襲的に組織内部を調べることができます。特に眼科の分野にいちはやく取り入れられ、現在は心臓血管内科に応用されているのです。

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2011年5月 8日 (日)

無事にボルチモアより帰国しました

本日シカゴ経由でボルチモアで開催された工学系レーザー学会CLEO:2011より無事に帰国しました。

学会開催日に合わせて連休中、長いお休みを頂いてしまい申し訳ありませんでしたが、金曜日土曜日の予約受付中に、明日から再開予定の診療の、多くのご予約を頂いたようで、とてもありがたく思います。

6年間の医学部のカリキュラムでは、1秒もレーザーに関する講義は無かったように記憶するのですが、特にこのDecade(10年間)に、医学でも工学でもレーザー技術に大きな進歩がありました。

世界の人類の努力によって積み上げられてきたで得られた叡智ですが、現在文献や教科書で読めることは、全て「過去」のことです。

進歩が最も著しい分野であるレーザー光技術を用いた医療(Photo Medicine)を専門として選択した以上、「現在」の知識を得るためには、やはり世界の学会には常に出席しなければならないと思っています。

数々の学会参加によって得られた最新の知見を、クリニックFの患者さんに対して、日々の臨床に生かせるように、また頑張ってゆきたいと思います。

明日から診療を再開いたしますので、またよろしくお願いいたします。

学会開催期間中のブログもまたこの新国際学会周遊記で上げてゆくようにしますね。

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2011年5月 5日 (木)

CLEO:2011ボルチモア③ 僕の発表

CLEO:2011での僕の発表は、サンプル空気中の窒素(NO2)濃度を532nmのレーザー光で測定するというもの。

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窒素は生体内で、血管の拡張などにも関わっており、生物代謝学的には非常に注目される元素なのですが、この装置を利用すると、比較的安価に、PPB単位(PPMの3桁下、パーツ・パー・ビリオン、parts per billion、10億分の1)での測定が可能となるのです。

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この研究は、現在お世話になっている総合理工研究室のメインテーマでもあり、今回は、工学博士号取得のために実績を作らせていただいた。という感じでした。

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僕は医学系レーザー関連では、過去64回の国際学会招待講演及び発表をしてきましたが、工学系レーザー学会ではこれが初めて。

当然のことながら質問の内容も、質問に使用される専門用語も全く違い、いつもなら、もう少し説明出来るのにと、ちょっと悔しい思いをしました。

今回のCLEOの参加者は4000人あまり。世界のレーザー研究者が、かなりの比率で集まっていることになります。工学系レーザー学会の高いレベルの発表を聞いていると、医療系のレーザーの構造が簡単に思えてくるから不思議です。残念ですが、3世代ぐらい遅れている感じですね。

昨年10月から社会人枠で工学部博士課程に通い始めて早8ヶ月。まだまだヒヨッコの分際ですが、夢は大きく、残り大学院期間でレーザー業界にインパクトのある研究成果を出せたらとおもいます。

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2011年5月 3日 (火)

CLEO:2011ボルチモア② グラント、ラマン分光

ワシントンDCから北東に30マイル。全米15位の都市であるボルチモアで5月1日から開催されている工学系レーザー学会のCLEO:2011 Conference on Lasers and Electro Opticsの第一日目に参加しました。

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この学会は、アメリカではグラント(=一般の研究者などを対象に、政府機関他が研究開発費を配分する制度。科学的、技術的な観点を中心とした評価に基づいて実施すべき課題を採択する。)を取るために発表することが多い学会の様で、現在実験段階にある最先端レーザー技術の応用について語られます。

Laser Science to Photonic Applications のための学会ですが、僕が本日、籠って聞いたブースでは、レーザー光技術の医学への応用のセッションが行われていました。

現在世界で開発されているレーザーの最先端医療への適応演題ばかりでしたが、本当にこんなことも出きるのか!! と、驚き興奮することばかり。

僕が理系の研究職に就きたいと思ったのは、小学校時代に顕微鏡という機器に触れ、ミクロの世界に興味を持ったことだとブログにも書いたことがありますが、今回はまず午前中に、ラマン顕微鏡の最新情報を見せられて、本当に驚きました。

可視光が分子に当たって散乱される光を精密に計測すると、そこには分子の振動によって周波数変調を受けた成分を含んでいます。このような光散乱をラマン散乱と言います。

これら特有の分子・結晶の振動モードで、波長変調は固有となりますので、この波長変調を分光器によって調べることにより、その組成分析や結晶構造情報を得ることが可能となるのです。

これをラマン分光というのですが、レーザー発振されたをレーザー光を、顕微鏡と融合して、極めて局所的な部分の成分分析や結晶状態などを知ることができるようになった装置がラマン顕微鏡です。

このラマン顕微鏡を使用すると、通常の光学顕微鏡では同じように見えて、全く判別の出来ない、脳組織の異常細胞や、乳がんのガン細胞などがプレパラート上で正常細胞とは全く違った色に見えるのです。

特に腫瘍外科の手術に入ると、組織がどこまで正常なものなのかをいち早く診断するために、病理の先生が標本をチェックするのですが、この待ち時間がいつも長かったのを思い出します。

光学顕微鏡の解像度の限界を、レーザー技術とその受信器を加えることで、光学顕微鏡の良い特性を生かしながら、あっさり数桁超えてしまったということになりますが、こうしたレーザー技術を、光学顕微鏡に融合出来るなんて、本当に驚きましたし、僕の専門としている皮膚科レーザーは、医用利用されているレーザー技術のごくごく一部なのだということに改めて気付かされましたよ。

今日はこれから自分の発表に行ってきます。

レーザー治療の臨床医としてはもちろん、レーザー技術の研究者としても、科学の未来のために少しでも貢献が出来るようにがんばってゆきたいと思います。

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